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SONAS傾斜計が「KOLC+」のデジタルツインとAPI連携を開始

2025.10.27

プレス


電源・配線不要な傾斜計の変位量をBIM/CIM上でリアルタイムに可視化


ソナス株式会社(東京都文京区:代表取締役CEO 大原壮太郎、以下「ソナス」)、株式会社コルク(東京都豊島区:代表取締役 堤 正雄、以下「コルク」)の2社は、ソナスが提供する「無線式 傾斜監視システム」で取得した計測データを、コルクが提供するBIM/CIMクラウド「KOLC+」にAPI連携し、デジタルツイン上に傾斜量と傾斜方向を3Dグラフとしてダッシュボード表示可能になったことをお知らせいたします。



開発の経緯

本連携は、清水建設株式会社(以下、清水建設)のNOVARE ベンチャービジネスユニット担当者の仲介でAPI連携の協議を2025年6月より開始しました。コルクの「KOLC+」は2025年4月より清水建設の土木部門にて全国展開が開始されており、API連携のニーズが高まっていました。さらに、東亜建設工業株式会社の担当者からもAPI連携の強いリクエストを頂きました。これらの経緯により、ソナスが「SONASクラウド」のAPIを速やかに実装したことで本連携が実現しました。


API連携の概要

SONAS傾斜計は、世界初となるソナス独自の無線技術「UNISONet」により、ベントや山留などの仮設構造物の傾斜・変位を電源や配線不要により低コストで簡単に多点計測できます。この計測データは、SONASクラウドに送信および蓄積され、グラフ表示やアラートメール通知などが可能になっています。今回、SONASクラウドに実装したAPIを用いることで、蓄積された計測データをKOLC+で構築したデジタルツイン(BIM/CIM・点群など)にリアルタイムに転送して可視化できるようになりました。


SONAS傾斜計とKOLC+の連携イメージ。


KOLC+では「3Dグラフ」機能を用いて、SONASクラウドから取得した 傾斜量をX・Y軸の3次元グラフとして描画します。センサー機器の設置位置や方向、傾斜量の閾値に応じた色分けなどのカスタマイズ設定はKOLC+のクラウド画面上で可能になっているため、現場構成に合わせた柔軟な可視化を実現できます。


BIM/CIM、点群データ、複数のセンサー情報を1つの空間に統合し、俯瞰して確認することで、現場全体の傾向や異常箇所を直感的に把握することが可能になります。


KOLC+のBIM/CIMモデル上にSONAS傾斜計を連携した例。傾斜計の設置方向に合わせてX・Y軸を定義し、傾斜量と変位方向を矢印グラフで表現しています。


2D表示(平面ビュー)で計測データを確認した様子。SONAS傾斜計の設置位置と設置方向、ラベル位置、グラフ尺度はKOLC+上で設定可能です。


SONAS傾斜計の変位量を確認しやすいようにBIM/CIMモデルや点群は透過できます


【デモ動画】BIM/CIMモデル上にSONAS傾斜計の計測データを表現した例


担当者からのコメント


■ 大谷 直也 氏(ソナス株式会社 事業本部 シニアビジネスマネージャー)

弊社の無線式 傾斜監視システムは、建築、土木を問わず全国の様々な現場でご使用頂いております。もともと、多くのお客様より、KOLC+との連携についてお問い合わせを頂いていたのですが、今回、清水建設様や東亜建設工業様からの強いご要望があり、KOLC+とのAPI連携に対応させて頂きました。弊社の各種計測監視システムは、無線式&電池式で、広大なフィールドや高層、地下、トンネル内でもワイヤレスで簡単に多点計測できるところが特徴なのですが、KOLC+で計測データを3Dモデルにより一画面で閲覧できるようになることはユーザーにとって非常に利便性が向上するものと思います。また、建設現場へのBIM/CIMソフトの導入が進む中で、今回の連携にて、今後、より様々な現場で弊社のシステムをご使用頂けることを楽しみにしています。


■ 堤 正雄 氏(株式会社コルク 代表取締役)

SONAS傾斜計もKOLC+も国土交通省のNETIS登録技術になっているため、技術提案フェーズで「SONAS傾斜計とは連携しているか?」という問い合わせを頂いていました。今回、清水建設の小野澤様のご紹介でソナス様とAPI連携の機会が得られたことに大変感謝しております。ソナス様はKOLC+側のAPI仕様に沿うようにフットワーク軽く対応して頂いたため、これほど早期にAPI連携を実現できました。傾斜量を3次元でどのように表現するかが課題でしたが、清水建設様も含めてディスカッションをし、現在の形になりました。今回の連携をKOLC+の既存ユーザー様も含めて広く告知し、多くの現場でご活用頂けるように働きかけていきたいと思います。


■ 小野澤 龍介 氏(清水建設株式会社 土木東京支店 生産推進部 ICT推進グループ(兼)NOVARE VBU(ベンチャービジネスユニット))

ソナス社の独自無線技術「UNISONet」は素晴らしい技術で、清水建設では多数の導入実績があり、弊社が設立したイノベーション拠点「NOVARE」には実機も展示しています。また、KOLC+は昨年度のロボット犬、GNSS、クラウドカメラを連携した「建設現場におけるリアルタイムデジタルツインの実現と活用」の取り組みから関わっていますが、デジタルツインと計測データの連携は大変有意義だと考えており、今回、コルク社にソナス社を強く紹介しました。両社の高い技術力によって、早期にデータ連携が実現したことを嬉しく思います。今後、土木部門だけでなく建築部門でも導入を検討しております。


■ 髙橋 晋一郎 氏(東亜建設工業株式会社 大阪支店 技術部 共創戦略課)

東亜建設工業(大阪支店)のデジタルツインの取り組みは、操作性が良く、使い慣れたKOLC+を中心に考えています。そのため、多くの計測システムがあるなかでKOLC+と連携できるか否かが選定の決め手になります。また、ソナス社の傾斜計やUNISONetは大変有用なシステムと考えており、過去に何度か採用を試みましたが、KOLC+と連携できないことから採用できませんでした。ようやく連携してもらえて嬉しいです。


今後の予定

直近では、清水建設の土木部の「第一三共野洲土壌対策・堤防部作業所」にて現場導入予定で、建築工事でも本技術の採用が検討されています。今後、SONAS傾斜計以外のセンサーもAPI連携を検討してまいります。


■SONAS(ソナス)とは

ソナスは、東京大学で無線センサネットワークの研究に従事していたメンバーにより設立されたベンチャー企業です。ソナス独自の技術であるUNISONetは、革新的な転送方式「同時送信フラッディング」の採用により、従来のIoT無線では不可能だった要求を同時に実現する画期的な無線通信規格です。「安定」「省電力」「高速」「双方向低遅延」「ロスレス」「時刻同期」「多数収容」という特徴を活かし、振動計測による構造物モニタリングや建設現場の安全管理などに活用されています。

サービスサイト:https://www.sonas.co.jp/


■KOLC+(コルクプラス)とは

KOLC+は、BIM/CIMモデルや点群をクラウド上で統合・共有・活用できる「BIM/CIMクラウド」です。国土交通省などの情報共有システム(ASP)としても利用でき、利用社数は500社以上になっています。国土交通省の「建築BIM加速化事業」での補助対象ソフトウェアにも認定されています。

サービスサイト:https://kolcx.com


■ソナス株式会社の会社概要

所在地:東京都文京区本郷5-24-2 グレースイマスビル6階

代表者:代表取締役 大原 壮太郎

事業内容:センシングに関するハードウェア、ソフトウェア、サービスの企画、設計、製造、販売

会社HP:https://www.sonas.co.jp


■株式会社コルクの会社概要

所在地:東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル14階

代表者:代表取締役 堤 正雄

事業内容:建設業向けBIM/CIM共有クラウド「KOLC+」の企画、開発、運営

会社HP:https://kolg.co.jp